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美術作家や美術研究者が有志で集まった研究会「Studio 138」を設立し、メンバーとなりました。

主な活動内容は、メンバー各人による自作論を含めた理論的考察の発表とそれに基づくディスカッションを行なって行きます。第一号では 『自作品から論じる「まなざし」の可能性』(P.32ーP.38) と題し寄稿しました。こちらでPDF版でお読みいただけます。


[電子版]Studio138誌(1号、2021年
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東京の日本橋にあるtaguchi fine artにて、グループ展に参加します。

初日17:00より19:00まで、レセプションを行います。


access

〒103−0023

東京都中央区日本橋本町 2-6-13 山三ビル B1F


・地下鉄銀座線・半蔵門線 三越前駅 コレド室町出口 徒歩4分

・JR総武線快速 新日本橋駅 5番出口徒歩4分


open 火ー土 13:00-19:00

close  日・月・祝日


New Positions 2021

「日本の抽象絵画 - 田中秀和・西川茂・平野泰子」 1月16日 - 2月20日

タグチファインアートでは次代を担う日本の若手作家を採りあげるシリーズの 第2回目として、田中秀和、西川茂、平野泰子の作品を展示致します。

田中秀和(たなかひでかず)は1979年兵庫県生まれ。2000年に京都芸術短 期大学ビジュアルデザインコースを卒業、京都造形大学情報デザイン学科に編 入。在学中の1999年にギャラリーココ(京都)で初個展。2001年にロンドン のチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン、ファウンデーショ ンコース、ペインティングクラスに留学。2006、2008、2009、2010、2012年 には児玉画廊(京都・東京)で個展を開催。現在は京都市立芸術大学博士課程 に在学中で、京都を拠点に活動しています。 彼はこれまで一貫して、複合的な手法を駆使しながら抽象絵画を問い直す実 験を続けてきました。それは例えば、衝動的なストロークや偶然生まれた形態 を複写してそれを整形して画面を再構成したり、かつて自分が描いた作品の断 片をプロジェクターで投影し、それに反復や回転という操作を加えて新たな作 品を生み出すという手法。あるいは、絵の具の乾いていないキャンバスの面を 合わせてイメージを転写させたり、投げつけてできた絵の具の塊をある規則に 従って移動させたりした後、それらをもとに連想される色彩や形態を描き加え るという手法などです。 音楽分野でのサンプリングや、フォトショップなどの画像加工ソフトにおけ るレイヤーの概念、そうした極めて今日的な方法論を絵画に援用し、彼は無意 識と意識、時間などの問題を扱い、即興的でリズミカルな、そして大変美しい 作品を生み出しています。 「イメージや物質を作品間でループ/シェアするという一見創造性の放棄とも取 られかねないこの手法は、意識と無意識の問題や、絵画空間に対する時間、さ らには絵画の再編集性ついて、作品と物質、作家自身と鑑賞者の関係性から、 『抽象』という概念に対するさまざまな命題を投げかけるものだと考えま す。」(田中秀和)

西川茂(にしかわしげる)は1977年岐阜県生まれ。1997年に近畿大学理工 学部土木工学科環境デザインコースを中退、2002年大阪芸術大学附属大阪美術 専門学校芸術研究科絵画コース修了。2007年から1年間アメリカに滞在し、 ニューヨーク州にある障がい者と健常者の共同生活体トライフォーム・キャン


プヒル・コミュニティにて絵画コースでアシスタントをしました。これまでに 奈良、京都、東京で個展を開催、現在は奈良市を拠点に活動しています。 西川は、都市に突然出現する布状のシートに覆われた、建設中、改築中、あ るいは解体中の建築物や構造物を題材に、抽象的表現を試みてきました。それ ら「シールド・ハウス」シリーズの作品は、写実性、再現性から離れ大胆な筆 触で描かれていますが、それは万物の流動性や、生成と消滅というテーマに相 応しい手法といえるでしょう。 彼はこのシリーズを始めた当初から、梱包芸術家として知られるクリスト& ジャンヌ=クロードの活動に自作との共通性を意識してきました。先頃クリス トが他界したことを契機に、彼らへのオマージュとなる新しいシリーズを今回 制作しました。 「それは新しい建物の始まりであり、かつてそこにあった建物の終わりでもあ る。そして建物を覆うシートは、過去の忘却と新たな記憶を隔てる薄い膜のよ うな存在なのかもしれない。人々がこれから何を捨て、何を忘れ、何を見て、 何を求めていくのか。描かれた仮囲いのその向こうには、変わりゆく風景の移 ろい、世情の変容があり、今が更新され未来が続いていく。クリスト&ジャン ヌ=クロードは実際の建物を覆い隠す事により、逆にその建物自体の存在感や 歴史的背景を浮き彫りにしてきた。一方私は建造物が覆われた状態を、変容す るランドスケープや移ろう環境の『動態』と捉え、絵に落とし込む事によりそ れらを顕在化させようとしている。共鳴する部分があると同時に、彼らとの違 いも少なからずあると感じている。彼らの作品のオマージュを制作する事によ り、『シールド・ハウス』シリーズを見つめ直し、更に推し進める機会となれ ばと考えている。」(西川茂)

平野泰子(ひらのやすこ)は1985年富山県生まれ。2007年京都精華大学芸 術学部造形学科(洋画専攻)卒業。2009年に愛知県岡崎市のマサヨシ・スズ キ・ギャラリーで初個展を開催し、2015年にはVOCA展に出品。京都や東京で 発表を重ね、現在は神奈川県川崎市を拠点に活動しています。 平野は大学在学中から、絵の具を幾重にも薄く塗り重ねた色面抽象絵画を制 作してきました。彼女は自身の仕事について、見慣れた風景や過去の記憶、経 験を、描くという行為によってキャンバスの上で客観化し、それらが自律性を 獲得するまで展開させ、現在の現実と接続させようとする試みとして考えてい ます。描き進めるなかで絵画空間から発せられる、意味や言語から切り離され た論理的思考に拠らない「呼びかけ」や、時に丸い黒点として現れる「眼差し」 に反応し、そこに自分とは違う新たな視座を見出そうとする彼女の探究が、今 回発表される新作にも反映されています。


「普段何気ない景色、風景、対象を見ることで、その対象に一体感を感じたり 直感のようなものに触れたりする。それは風のように突然やってきて、見つめ た自分が見つめ返される。記憶の回帰、尊さを抱きながら、言語や意味を遠ざ けつつ、その出来事に強度を持たせるために作品を制作している。」 (平野泰子)

彼らの仕事は、これからの日本の絵画を豊かなものにしてくれると確信しま す。ぜひご高覧ください。

なお、初日1月16日(土)午後17:00より19:00まで3人の作家を囲み、ささや かなレセプションを行います。皆様のお越しを心からお待ち致しております。



協力: Gallery Out of Place (西川茂)


田中秀和

Spread from Sky Blue, 2020 油彩・アクリル・キャンバス 116 x 91 cm

西川茂

梱包されたレオナルド・ダ・

ヴィンチ像 #2. 2020 油彩・キャンバス

116.7 x 80.3 cm


平野泰子

Yonder, 2020 油彩・膠・石膏・キャンバス・木製パネル 116.7 x 80.3 cm

お問い合わせ先:

103-0025 東京都中央区日本橋本町2-6-13 山三ビルB1F タグチファインアート

tel. 03 5652 3660 fax. 03 5652 3661 tatsuya@taguchifineart.com www.taguchifineart.com

日月祝定休 13:00~19:00

更新日:2021年1月3日

HIRANO YASUKO EXHIBITON

※コロナの感染拡大防止に伴い、臨時休廊致します。

 再開に関しましては追って詳細をリリース致します。

(現在、個展は終了しましたが、stoopは営業を再開しており、引き続き作品の一部を

常設展示していただいております。是非ご覧下さい。)

会期:3.20(金)- 4.26(日)

オープン:金・土・日(13時〜20時)

クローズ:月 〜 木 会場:stoop

サイト:https://stoop.jp/ 住所:東京都江東区白河2-5-10 清澄白河B2出口より徒歩3分 東京都現代美術館より徒歩6分 お問い合わせ:03 4285 4128

朝日に輝くグラスの淵や器の肌質にノスタルジーを覚える事がある。

まるであの日の風景を感じ、こちらを見返してくる。

その眼差しが時間や空間を飛び越えて隣に現れる時、思わず画面に向かう。

色を塗り重ねる行為は眼差しや不確かな存在を像として描く前に出会うこと。

遠くのものを近づけ、愛おしい眼差しを留めるために描いている。

平野 泰子

YASUKO HIRANO EXHIBITION ” UNFOLD ROOM “

幾層にも薄く塗り重ねられて生まれたグラデーションの先に、吸い込まれそうな奥行き在る空間を観た。同時にそのグレースケールの画面から、さまざまな色が鮮やかに浮かび上がってくる。

平野の対象を留めようとする態度を、私たちに伝えるかのように。

表現は削ぎ落とされ、視点を合わせるモチーフはない、だからこそ色彩が新鮮な美しさを放つ。

そんな彼女の抽象絵画は、ヴィンテージ家具のデザイン性、経年変化によって生まれる独特の質感と、驚くほど美しい調和を果たし、空間を創り上げる力がある。それは観る者にとって、各々の時間や存在を映しだす装置のように、在る日の記憶を呼び起こす。

stoop では、彼女の現代アートと、アンティーク・ヴィンテージの家具やオブジェとを展示することでヒエラルキーを無くし、ストーリーを想起させる空間を作ることを目指す。

この機会にぜひお越しください。

昨年12月に清澄白河にオープンしたアンティークやヴィンテージ家具、雑貨を取り扱うライフスタイルショップ stoop にて、作家 平野泰子 の個展を開催致します。


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